Category: 海松色の日常  1/3

The Seasons : Winter [お鍋と、愛と、缶ビール]

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お鍋を囲んでいた。他に誰もいないぼくの部屋で、猛くんと二人で。付き合っている訳ではない。唯一無二の親友なのだ。というか、認めたくはないけれど、今の所はそういう事になっている。鍋奉行はぼくの役目だ。カセットコンロ上のお鍋に具材や鍋の素やお水を入れていって、火を付ける。時々かき回したり、灰汁を取ったり。猛くんはというと、ぼくが録画しておいたアニメを集中しているんだかいないんだかな風情で観ている。とはい...

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The Seasons : Spring I [こころの色、さくら色]

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今から遡る事ちょうど一年前の春に、ぼくと猛くんは大学のキャンパスで出会った。さくら舞う季節、頰の色もさくら色。幼く見えるほどの童顔で、短い髪がとても良く似合っていた。そんな猛くんを見て、ぼくはいっぺんに一目惚れをした。最初は、遠巻きにちらりちらりと、見ているだけだった。でもその内に、話してみたいという思いが募っていった。さくらの花びらが散り始めたある日のお昼休み、いつも独りで食事を摂っている猛くん...

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The Seasons : Spring II [Theme Park Romance]

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先日のお花見の時にも思っていたのだが、桜もすっかり散ってしまい、これからは夏のイベントについて真剣に考えなければならない。来年は就職活動真っ只中、行くとしても日帰りで江ノ島がせいぜいだろう。お金と語学力がないので海外は厳しいけれど、この夏休みを利用して国内二泊三日の旅行位はしておきたい。猛くんとの思い出作りは、自分にとっては本当に大事な事なのだ。今はお昼休みで食事中。相談にはもってこいの時間だ。「...

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The Seasons : Summer [照り付ける太陽に惹かれて]

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只今、自室のベッドにて、塞ぎ込み中。就活が上手くいかない。全くと言っていい程、手応えがない。ぼくは幼い頃に実の両親を車の事故で亡くして以来ずっと、子供が欲しかったのに出来なかった親戚の家で我が子のように可愛がってもらっていた。本当ならこれ以上迷惑は掛けられないのだが、これはひょっとすると義父のコネに頼る他ないのか、といった所まで事態は切迫していた。二流の大学に通っていると、こういう時に苦労するのだ...

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