Category: Essentials for Living  1/3

愛と、恋と、太っちょと

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「ねぇママ、俺の下着はどこ?」「クローゼットの衣装ケース、一番上の段よ。いい加減、覚えて!」俺は佐久治、高校三年生。ちょいマザコン入り気味のゲイ。ーーって、どんなんだ?自分でもよく分からん。頭が弱いので進学はしないし、家業の商店を継ぐので、今の時期は暇々。似たような奴が一人居て、昔からの幼馴染だ。名前は春太。最近、彼氏になった。告白は、どちらからともなく。見た目、ちょい似てる。太っちょなとことか。...

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草原のカピバラ

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「むしゃむしゃ、むしゃむしゃ。」風車の回る、水辺の草原。陽射しがポカポカ、暖かい。そこで並んで草を食むのは、二頭のカピバラ。オス同士だが、大の仲良しだ。「今日もあったかいね、プノ。」「気持ちいいね、ルノ。」このカピバラ、牧場を経営する酪農家に愛玩用として飼われているのだが、殆どの人間には聞こえない周波数の声でお喋りするのが、好きだったりする。殆どの、というのには理由があって、突然変異的に聞こえるよ...

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恋を紡ぐ人 1

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繰り返し、繰り返しの事で、挫けそうになっても。それでもなお諦めないで、倒れても立ち上がる。そんな気合いと根性があれば、どんな困難だって、きっと乗り越えられる。そう信じているから、だから、僕はまだ生きている。今も、心は折れそうだ。でも、こんな時こそチャンスだ。あの人に。届け、この想いーー。僕は、ここ日本で人々の恋を紡ぐ事を生業としている、魔法使い。名は、泗水。中国かぶれの師匠が付けてくれた通り名だ。...

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恋を紡ぐ人 2 [white with snow]

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しんしんと、雪が降り積もる。都会では珍しい大雪。滑りそうになるのをぐっと堪えて、ペタペタと進んでゆく。所々、路面が凍結しているのが分かる。気を抜けない道程。空が重い。辺りはもうすっかり暗いけれども。まるで、これから起こる出来事を予期しているかのような。正直、気が進まなかった。でも、その気持ちとは裏腹に、足は前へと進むのだった。職業病、かな。正直、疲れた。しんどい。僕は滑らないようにと細心の注意を払...

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