Archive: 2019年01月  1/4

習作 1

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憧れだった恋の相手が結婚したと満面の笑み俺を新居に誘うその目に邪気が無いのは当然としてその愛の巣がミラーガラスをその身に纏うタワーと聞いて俺は己の甲斐性の無さ無力さをただ呪う他無い水平線を遥か遠くに見下ろしながら溜め息を吐く俺は一体何度負ければ恋の勝者になれるのだろう...

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泪橋

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ジリジリと照り付ける陽射しが眩しいまるで道行く全ての人の心が白日の下に晒されている様で、鬱陶しい事この上ない夏の午後道に置かれた花束の横で泣き崩れる人を眺め、胸チクリと痛む俺が同じ目に遭ってもそこに花束は無いから遠い世界の出来事をガラス越しに眺めるだけそれだけの心の動きそんな自分がもどかしく両手で頬を打ってみたそれでも胸はそれ以上痛む事もなく沈黙心の暗部をこうして覗いて気分が悪くて俺は逃げる様に去...

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秋の訪れ

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何も分からず何も見えないただ昏々と眠り続ける声も聞かずに前へ進めずにそんな時もある人生の袋小路カーテン越しの陽射し外が騒がしい思わず耳を塞ぐ大嫌いな朝の訪れ何も見たくないもう聞きたくない振り返って今、何がある?俺の轍は、何を言わんとしている?答えは一つだから泣いた声を上げて、泣いた一頻り泣いて立ち上がり、カーテンを開ける窓越しの空を見上げると、空は何時の間にか秋色に染まりつつあって、俺は溜め息を吐...

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冬の空

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明け方の、冬の空その何と複雑な事よ喩えるなら、それはまるで千変万化する君の姿夜、微睡む君から目が離せないように朝、ファインダー越しに揺らめく、空のグラデーションから目が離せない君の心の深奥にさえ、闇があるようにこの空の果てにも、僕らが抱えるよりも遥かに大きな闇が広がっているこうしている間にも、その遥かな闇を覆い隠す空の青さは、ちっぽけな僕らを護り、支えていてだから今日も僕は、君と共に生きてゆける“...

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泥棒

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もう居ないのか?何処に居るのか?この胸のざわめきがこの胸のわななきが誰かに連れ去られてしまった後に残ったのは、がらんどうの体ひとつそのざわめきをそのわななきを返してください、今すぐにでないと私の心はそよ風に舞う程に軽くなってしまいます姿の見えない泥棒よどうか私の心を消さないでだって私はこれでもまだ路傍の石になるには早過ぎる筈だものこれが運命だというのならいっそ、私も泥棒になろうか...

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星屑の欠片

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星の瞬きを掌で握る涙に良く似たほんの一欠片手の中で、そっとまだキラキラしてその光、スッと染み込んでいって僕の心にも温もりが灯るその灯りが、ほら行く先を照らす握っている手を離しては駄目だせっかく掴んだ星の瞬きが音も立てないで逃げてしまうからやさしくそうっと握り続けよう明日も晴れたら満天の星をまた掴めるから僕はこの場所へ何度でも来よう空だって多分少しずつならば許してくれるさ心をザクザク切り裂いていった...

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暗闇の中で

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眠れない夜に君を思い出す何も無さ過ぎて闇が深過ぎてせめてもう一度温もりだけでも降り注ぐならば少しは違った耳が痛い程夜が静かだと僕の意識など壊れてしまうよ漆黒の空の裂け目から、月が何も無い僕を見下ろして笑うそれでいいんだと一つ頷いて過去の温もりを残らず捨ててさ明日は泣かずに前に進もうかだから今夜だけせめて、あと少し心のハローが顔を出すまでは暗闇の中で赤子のようでも別に構わない何も怖くない明日は必ず生...

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モノローグ

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最後の温もりまだ手に残って君の余韻など遠い筈なのに坂のような道向かい風の日々君が居なければとうに倒れてた七月七日に君に逢えたならその温かさが力に変わってどんな嵐でも構わず進めるそうに違いないだから、逢いたくて……年に一度でも君に逢えたなら僕もきっとまだ駆け上がれるはずあの青い空を舞う燕さえも君に逢えるなら追い越せるだろうそんな願いなど叶う筈もなく愚かな事だと笑われるばかり今に見ていろよきっと僕だって...

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雨上がり

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君の空雨模様見ていると悲しくて喰いしばるそっと歯を僕の空嵐でも構わない君の空救いたいその雨を止ませたい頬の色桜色髪の色艶やかな黒が舞うそれならば空の色灰じゃない青がいいその方がとても良く似合うはず君の空青く染め二人でさジャンプするんだそうしたら僕の空こんな空だって青く染まるよきっとだよ君の空まだ雨かい?それならば今行くよすぐに行くよそうしたらきっと二人晴れるからその時までそばに居るよ約束するよきっ...

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柴犬

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遥かな空を眺め続ける公園の隅ベンチに座り雲と光が移ろいながら混ざり合う空いつまでも、ただ眺め続ける風が少し強くて髪が南に靡く春の香、まだ薄くて頬が紅く染まった白い煙吐き出しつつ君の事を想って泣く君を守りたかったけれど守れなかっただから君は去り行く俺は嗚咽を漏らすそんな哀れで馬鹿で女々しい俺の側に柴犬が寄ってくるそう、あの時の君と同じ目をして真っ直ぐに俺を見る気位が高そうで吼えそうな雰囲気で俺を睨み...

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