冬の空

明け方の、冬の空

その何と複雑な事よ

喩えるなら、それはまるで

千変万化する君の姿

夜、微睡む君から目が離せないように

朝、ファインダー越しに揺らめく、空のグラデーションから目が離せない

君の心の深奥にさえ、闇があるように

この空の果てにも、僕らが抱えるよりも遥かに大きな闇が広がっている

こうしている間にも、その遥かな闇を覆い隠す空の青さは、ちっぽけな僕らを護り、支えていて

だから今日も僕は、君と共に生きてゆける

“空よ、ありがとう”

誰にも聞こえないように僕はそう呟いて

ふっと、一つ

息を吐いた

一瞬、視界が白い煙に包まれたものの

空はたじろぐことなく、その青さを存分に見せ付ける

冬の空は高いね

空には、これくらい遠い感じの方が似合っている

冬の空になら、君をそう喩えても誰も怒るまい

ねぇ、そうだろう?
関連記事

0コメント

コメント投稿